• 浄土真宗大谷派のお寺です。

新型コロナウイルス感染拡大により、また緊急事態宣言発令により、様々な場面で生活が制限されるようになりました。

そして、特に「外出自粛」が訴えられています。感染拡大を防ぐには、本当にこれが一番効果的でしょう。 他人の為、自分の為にも、「ここで自分が感染拡大をさせてしまったら」と想像力を持って行動し、外出を控える事が必要だと思います。しかし、実際にはこの「外出自粛」がとても難しい事です。おそらく一歩も家から出ていない人はほとんどいないでしょう。そして限られた外出の必要性も、人それぞれ違います。

例えば、屋外で遊んでいる子どもがいるとして、それを疑問に感じる人もいるかもしれません。しかし、「家でゲームばかりしてはいけない」「外で体を動かさなければいけない」「友だちと仲良く遊びましょう」などと言われてきた子どもや保護者にとっては、その常識を完全に変えるのは難しいと思います。また、家でも工夫して過ごせる親子もいれば、それができず非常にストレスを感じる親子もいるでしょう。これは個性によるもので、どちらが良い、悪いというわけではありません。そんな中で、「ここなら接触がなさそうだから」「ここだと密集しなさそうだから」と、保護者なりに考え工夫して、また少なからず罪悪感を感じながら外に連れ出していると思います。その結果として逆に人が集まってしまう事がありますが、それを非難することは「私のせいでお母さんが怒られた」と、ただでさえ不安定な子どもにとってトラウマになったり、保護者にとってもストレスになり虐待につながる場合もあります。

これは大人も一緒で、家にこもる事を我慢できると、外に出ないと、また習慣にしていたある事をしないと発狂しそうなぐらいストレスを感じるもいます。また、「仕事」「買い物」など、何が「不要不急」かもやはり人によって違い、それがどの程度「必要」なのかどうか、他人の事情は分かりません。もちろん、生活に関わる部分も、死活問題になる部分もあるでしょう。また、精神的な部分は理解されづらいですが、例えば、一人暮らしの人が仕事(学校)が休みになり、誰にも会えず精神的に辛そうな状態な時、実家に帰ることはどうなのでしょうか。やはり遠方への移動や人の接触は控えるべきだと思いますが、それが非難されることは悲しい事です。

これは決して「外出自粛」を否定しているわけではありません。私(若坊守)も、微力ですがそれを意識して行動するようにしています。それまで週末行っていた温泉施設やスポーツ施設には3月から行っていませんし、友だちにも会っていません。車で十分ほどの実家に行く回数も随分減り、それも必要な物の受け渡しがある時だけで、室内には入っていません。今月に入ってからは買い物の回数を極力減らし、冷蔵庫にあるもので考えながら食事を作るようにしています。

しかし、完全に自粛できているわけではありません。平日は出勤していますし、完全に買い物に行っていないわけではありません。頻度を減らしてはいますが、コンビニに寄ることもありますし、百円ショップ、古本屋へ行ったこともあります。これらの行動をどう捉えるかは人それぞれです。

なので、一人一人が感染防止を考えて行動する事、できるだけ外出しないことが一番大切なのですが、それができない人が非難されることも少し酷だと思います。少なからず皆がストレスを抱えるこの状況下で他人の状況や心情まで考慮することも難しいですが、人と人との関係まで悪化しないことを願っています。

そして、現在最前線で奮闘してみえる医療関係者の方々、またこのような状況下で私たちの生活が維持できるよう働いてみえる方々に、厚く御礼申し上げます。

投稿:若坊守


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